それは、独自の自然循環型農法で育てられた
野菜を口にしたときから始まった。
今まで忘れていたかのような野菜そのものの味や香りと、
その農法を開発した先生の言葉に衝撃を受けた。
「現代病の原因のひとつが農業にもある」。
医療に携わる者として、病気で苦しむ方々と接する者として、
聞き流せる言葉ではなかった。

その農法で作られたお米や野菜を食べ続けて一年が過ぎた頃、
一生治らないと思っていた重度の花粉症が良くなり、
若いころの記憶力が戻ってきた。
薬でもこれだけの効き目があるものに出会ったことはない。
農法と、人の健康と、環境には、密接な関係があることに気付いた。
この感動を与えてくれた農法についてもっと深く知りたいと思い、
自ら鍬を持ち、農業の勉強が始まった。

今の農業は、農薬と化学肥料に依存している。
体に良いとされている有機栽培であっても、
家畜糞の使い方によっては、
抗生物質やホルモン剤の害があることを知った。

健康な野菜は、
土、水、葉や草、微生物、ミミズなどが育ててくれる。
農薬、化学肥料、家畜糞は必要なものではなかった。

頭から足先まで全身泥だらけになり学んだことだった。